ARコート(Anti Reflection coating)
光の反射や映り込みを防止する目的で、ガラス板や液晶パネルの表面、光学レンズ等、光の反射を防ぎたい場合に採用されています。真空蒸着、スパッタリング、あるいはディップコーティングなどのWETコーティング手法により、塗布~乾燥/硬化させることにより膜を形成するといった方法で、レンズなどの表面に薄い膜を作り、コーティングします。
COP(Cyclo Olefin Polymer)
シクロオレフィンポリマー樹脂。透明性が高く、また低吸水性の性質を持ち、光学用材料と利用されています。
IR乾燥
Infrared ray dryers 。赤外線照射装置を用い、ディッピング後のワークを乾燥させる手法。
Layer By Layer
交互吸着法の別称。
L膜
清浄な水面に両親媒性分子を静かに少量滴下することによって、分子が水と空気の界面に一分子一層からなる膜が形成されるます。これらのことをLangmuir膜(またはL膜、水面上単分子膜、Langmuir monolayer)と言います。
LB膜
水面上の単分子膜を固体状態に保ったまま、ガラス等の固体の基板を,水面を通過して上下させることで、単分子膜をその基板の上に移してできた膜を単分子累積膜、あるいLangmuir- Blodgett膜(略してLB膜)と言います。
PMMA(ポリメタクリル酸メチル)
アクリル樹脂の一種。
PP
ポリプロピレン (polypropylene) の略称。強度が高く、吸湿性がなく、耐薬品(酸、アルカリを含む)性に優れているため、治具などの材質に使用されます。
SS
一般構造用圧延鋼材(Steel for Structure)の略称。ディッピング装置の場合、焼付塗装を施すことにより、耐熱性や耐食性の不要な箇所に用いられます。
SUS304
オーステナイト系ステンレスの代表的な鋼種。耐食性、加工性などに優れ、幅広い用途で使用されています。
UVオゾンクリーナー
「紫外線オゾンクリーナー」「UV洗浄装置」「UV表面改質装置」などと呼ばれ、 184.9nmと253.7nmの波長を主波長として、有機物の除去、樹脂等の表面改質を行う装置。
UV乾燥
UV硬化(紫外線硬化)型の液をコーティング後、365nmを主波長とする高圧水銀ランプ等を照射することによって、乾燥させる手法。熱風乾燥に比べ、短時間での処理が可能です。
UVキュア
UV乾燥の別称。
UV硬化
UV乾燥の別称。
アクリル樹脂
透明性の高い非晶質の合成樹脂。特にポリメタクリル酸メチル樹脂(Poly methyl methacrylate。略称PMMA)による透明固体材はアクリルガラスとも呼ばれます。透明性、耐衝撃性が高い。
アンローダー
ディップコーターからワークを排出するユニット。 ⇔ ローダー
イオン結合
電子を失った陽イオンと電子をもらった陰イオンが電気的に引きあって結合したもの。
ウェット洗浄
洗浄液を使用して、コーティング対象物を洗浄する方法。
ウェットプロセス
常圧下で液相より成膜する手法。ディップコート、スピンコート、スプレイコートなど。 ⇔ ドライプロセス。
オーバーフロー
液面の高さを一定にする目的と、コンタミの除去目的でディップ槽の液を排出する方法。
化学結合
分子や結晶中で原子の間を結び付けている力。 共有結合、イオン結合、金属結合、水素結合、ファンデルワールス結合などがあります。
共有結合
原子が電子を共有して結合している状態。
金属結合
金属原子を結びつけ、金属の結晶にする結合。 金属結合では原子は規則正しく並んでおり、最外殻の電子が結晶中を自由に動き回っています。
交互吸着法
環境負荷の少ない水系のコーティング手法。
交互積層法
交互吸着法の別称。
酸化チタン
チタンの酸化物で、二酸化チタンや、単に酸化チタン、およびチタニアとも呼ばれる。光触媒としての性質をもちます。
自己集積
ナノ粒子が横毛管力等の働きにより、六法細密充填構造をつくること。
指定数量
消防法の定めによる危険物の指定数量とは、危険物規制上の基本となる数量で、危険物のランクごとに、政令で定められた数量。
シランカップリング剤
一つの分子中に有機官能基と加水分解性基の両社を併せ持つ有機ケイ素化合物のこと。それぞれが有機物と無機物に化学結合することによって、化学的性質の異なる物質を強固に結びつける働きをします。
シリカナノ粒子
ディップコーティングによって、粒子配列時に用いられる粒子の一種。
ストローク
ディップコーターの上下の可動距離。基本的にコーティング対象物の短い方にあわせます。
スピンコーター
高速で回転させた平板上のワークに液滴を落下させ、遠心力で薄膜をコーティングする装置。
スプレイコーター(スプレーコーター)
コーティング液をワークに対し噴霧し、コーティングする装置。立体物へのコーティングが可能ですが、コーティング液のロスが多くなります。
スラリー
固体と液体の混合体。 スラリーの性質は構成要素する液体と粒子の性質、液体中の粒子濃度により異なります。
ずり速度
ひずみを与える速度のこと。「せん断速度」「速度勾配」とも言います。
接触角
液体を固体表面に滴下すると、液体は自らの持つ「表面張力」で丸くなります。この時、液滴の接線と固体表面とのなす角度θを「接触角」といいます。
テフロン
化学的に安定で耐熱性、耐薬品性に優れるフッ素樹脂。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の商品名。ディップコーティング装置ではタンク、配管等耐酸性を要求される場所にコーティングを施すことがありますが、一般的に高価。
ナノインプリント
ナノインプリント技術(Nanoimprint Lithography)は、1995年に現プリンストン大学(当時ミネソタ大学)のStephen Y.Chou教授らが提唱した微細パターンの量産技術です。原版(精密金型)を基板に押し当てることで微細加工を実現する技術で、従来の露光装置に対し光源やレンズなどが不要で、装置が簡単な為、低コストでナノオーダーのパターンが量産できると期待されています。
濡れ性
濡れ性は、液体と固体の表面張力および液体と固体の接触面積で決まります。ディップコーティングにおいて、ワークの表面改質などによって濡れ性を良くすることが必要です。
熱風乾燥
ディッピング後のワーク表面に、シースヒーター等で温めた空気を送ることによって、乾燥させる手法。UV乾燥に比べ時間がかかります。溶剤を含むコーティング液の場合、熱風を循環させず、フルワンパスにより乾燥させるため、熱効率は落ちます。
ハードコート/ハードコーティング
樹脂など表面が傷つきやすい材質の表面に被膜を被せることによって、キズから守る方法。ガラスや金属に比べ、ポリカーボネード等は対スクラッチ性が低く、ハードコーティングを施すことにより傷つきにくく処理を行ったりします。
バインダー
結合剤
撥水コーティング
水滴付着を防止する為のコーティング。
撥油コーティング
指紋など油の付着を抑える為のコーティング。
光触媒
光を照射することにより触媒作用を示す物質の総称。代表的な物質は、酸化チタン(TiO2)があります。他の素材に担持させる際に、ディッピングによることがあります。
表面改質
紫外線照射やエキシマ照射、プラズマ照射等により、濡れ性や接着性の低い樹脂などの表面の濡れ性をあげたりすること。
表面張力
表面にいる分子は、他の分子と結合できないため、内部(バルク中)にいる分子よりエネルギーが高くなります。この表面にいるゆえ高くなる自由エネルギーを、単位表面積あたりで表わしたもの。
ピン止め効果
固体の表面が角張った屈曲を持つ時、そこに近づいた液滴が、その地点より進めなくなる現象。
ファンデルワールス力
電荷をもたない中性の原子、分子間などで主となって働く凝集力の総称。
フォトレジスト
フォトリソグラフィに用いられる感光性を有した物質。PCBパターン向けにディッピングを用いることがあります。
ポリカーボネード(polycarbonate:PC)
熱可塑性プラスチックの一種。透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性などにおいて、高い物性を示します。
メニスカス
ワーク引上げ時に、ワーク表面との相互作用によって形成される、液面の屈曲をさします。
横毛管力
界面や膜中に分散して存在する物体間に、表面張力を介して界面と平行な方向にはたらく力。
離型剤
プレス工程において、材料を金型からスムーズに取り出すために使用される薬剤のことを言います。精密金型(モールド)に離型処理することによって、連続転写、高速転写などが可能になってきます。応用事例として、マクロレンズや回折格子、光導波路等の光学部品やHDなどのパターンドメディア等多々応用事例があります。
粒子配列
ディップコーティング装置で、ナノ粒子を分散させた液槽からガラス等を超低速で引き上げる事により、ナノ粒子間の横毛管力によって、ワーク表面に六法細密充填構造をつくること。
六法最密充填構造
結晶構造の一種。移流集積法によって粒子配列を行ったとき形成されます。
ロールトゥーロール
ロール状のワークを途中でディップし、乾燥・巻き取りして連続ディップする方法。
ローダー
ディップコーターにワークを投入するユニット。 ⇔ アンローダー
ガラス転移点
非晶質固体材料にガラス転移が起きる温度をいいます。
治具
ディップコーティング対象物を保持する部品。クリップ状などがあります。
ディフェクト
粒子配列時の欠陥のこと。
ディップコーター
ディップコーティングするための装置。単純に上下機構のみの装置から、引上げポイントや上下パターンをプログラムできるもの、その他前後の機能まで追加した装置などがあります。ディッピング装置、ディップコーティング装置とも呼ばれます。
ディップコーティング
コーティング対象物を、コーティング液に浸漬して、引き上げることにより製膜する装置です。ディッピング、含浸法などと呼ばれることもあります。平板だけでなく、立体物などへのコーティングも可能。
ドライ洗浄
洗浄液を使用せずに、紫外線照射やプラズマにより有機物を除去する洗浄方法。
ドライプロセス
真空中で成膜する手法。蒸着、スパッタなど。 ⇔ ウェットプロセス
ニュートン流体
ニュートン流体とは、ずり速度により粘度が変わらない流体をいいます。例としては、水やオイルなどです。 一方、非ニュートン流体はずり速度により粘度が変化します。例として、生クリームやマヨネーズなどです。 一般にディップコーティングにおいて、コーティング液はニュートン流体が適しています。
バーコーター
平板のワーク上にコーティング液を滴下させたあと、ギャップを調整したスキージを前後させることによってコーティングする装置。
バイトン
Viton。デュポン社の商標で、一般名称はフッ素ゴム。耐薬品性などがPPより高い。
ポリスチレン
polystyrene(PS)。